●イギリスがなぜ紅茶が有名か
ベノアはイギリスのアフタヌーンティ文化を大切にしていますが、そもそもなぜ、茶葉が作られていないイギリスなのに紅茶がポピュラーなのでしょうか?イギリスが紅茶の本場と世界中に認識されたわけは???前回に引き続き、ちょっとお勉強です。
イギリスがお茶の輸入を独占的に行い、盛んになったのは17世紀の英蘭戦争の頃から。イギリスは、そこから中国貿易の主導権を握りました。また同時期、イギリスのチャールズ2世と結婚したポルトガル王女キャサリンは大のお茶好き!東洋のお茶、お茶を飲むための道具、砂糖などがイギリスの宮廷や上流階級に広がっていきました。
その後、イギリス人好みの「祁門紅茶」(キーマン)が完成し、高値で取引されるようになりました。またイギリスは植民地を持ち、様々なお茶の木の栽培から工場での生産を行い、ブレンダーを投入し、世界的に「紅茶はイギリス」といわれるようになったのです。
19世紀初頭には「ボーンチャイナ」の開発により茶器の製造も広がりました。産業革命でティータイムも一般庶民に普及し、紅茶文化は発展していきました。
また、西インド諸島でのお砂糖量産の成功で、砂糖を輸入することができたイギリスでは緑茶より香味の強い紅茶に加えて飲むという習慣が定着し、ミルクと砂糖を加えて飲むミルクティーもこの頃から飲まれるようになりました。
「茶漉し」もイギリスで発明されました。様々な階級の人たちがお茶を飲めるようになっていったイギリスでは、茶葉の普及や茶道具の開発など、独自の文化として発展していく努力があったんですね。
さて、「紅茶」は、いつごろ日本へ来たのでしょうか?
次回は、「紅茶が日本へ」をお送りします!
※主な出典:紅茶辞典(成美堂出版)